川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                 おふさ観音
                                         奈良県橿原市小房町



     夏といえば風鈴、風鈴といえば「おふさ観音」
     いっぽ境内に足を踏み入れると、数え切れないほどの風鈴が……。

     正式名は、高野山真言宗別格本山「観音寺」という。
     涼しい音色が厄を払うということから、境内や本堂内に1000をこす風鈴が、吊るされている。
     沖縄ガラスの風鈴あり、南部鉄の風鈴あり、江戸風鈴あり、日本全国の風鈴が
     その音色を競う。

     私はガラスが大好きである。
     透明で、儚げで、ちょっとでも乱暴に扱おうものなら、割れてしまう。
     そんな不確かさに魅かれる。
     
     薄いワイングラス・お洒落な小瓶・そしてステンドグラス。
     物には執着しない性質だが、なぜかガラス細工にだけは、少し執着をする。

     またこの寺はイングリッシュローズの庭としても有名だ。
     2000株のバラが咲き誇る庭は、一日中眺めていても見飽きることはない。
     そこはかとないバラの香りにつつまれ、円空庭にある茶房でお茶をいただく。

     微風が吹いた。風鈴の音色が優しい……。      

     
           

                    
                                                           21・7・9日