川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                     mRNA

       6月28日に2回目のワクチン接種が終わった。
       1度目より副反応が酷いと聞いていたので恐れていたが、腕が少し痛いくらいで
       拍子抜けするほどだ。
       老化のせいで反応が鈍くなっているのだろう。
       副反応が軽いと言って喜んでばかりはいられない。

       当初、私はワクチンを打つつもりはなかった。
       免疫力のない体だ。余計なものを体内に入れたくはなかった。
       インフルエンザワクチンも、1度も打ったことがない。
       それがどうして打つ気になったのか。
       「流れ」としか言いようがない。

       そこで、ファイザー製の今回のワクチンについて少し勉強してみることにした。
       化学の時間が思い出される。
       メッセンジャーRNA(mRNA)。遺伝子・DNAのコピーをするそうだ。
       ウイルスのたんぱく質をつくる元になる情報の1部を注射し、抗体をつくる仕組みだ。
       今までのワクチンとはまったく性質が異なる。
       遺伝子操作をしたワクチン。
       そんな時代になったのかと、SF映画の世界が急に身近になった。

       そう遠くない将来、地球上は見目麗しく優秀な人間ばかりになるかも知れないなあ。
  
       そういえば、
       何千年もはるか昔にも似たような話がある。
       目からも鼻からも、血液や排泄物からも神様は生れたそうだ。
       少しの細胞があれば誕生するのだ。
       そして優秀な者だけを取捨選択をした。
       私は少々怖くなった。
       これってIPS細胞に通じるよなあ……。
       DNAの話と無関係ではないよなあ……。
       最先端の医学、サイエンスは、古代から存在していたのかも知れないなあ……。
       古事記は歴史書であると同時に科学書でもあったのだ。
 
       と、空想癖のある私は思うわけである。


                 2021.6.29