川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                 犬達のいる風景


    白川郷からの帰り道ふと立ち寄った、石川県加賀市のギャラリー「うるし蔵」

    ギャラリー前の広場には、犬達が列をなして歩いていた。
    どの犬も精悍で、賢そうな顔をしている。
    広場はあいにくの雨。
    おもわず私は、「はよ帰って、犬小屋でおやすみ」と、声をかけていた。
    一列に並んだ犬達は、どこに向かっているのだろう。
    わき目もふらずに、まっすぐに前を向いて、どこへ帰っていくのだろう。

    ちなみにこの犬達の産みの親は、いま奈良で人気者の「せんとくん」の作者、
    「薮内佐斗司」氏である。

    雨に濡れた犬の印象があまりに鮮烈で、雪の白川郷はすっかりかすんでしまった。



 
   
先頭をゆく
犬の顔は、
どこか
哲学者めいて……。
私は犬の前
から離れられ
なかった。