川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                 古市古墳群



                  
     今回は、我が家から徒歩圏内の、流行の先端をいく旅である。
     遠い所でも、自転車で30分とかからない。

     最近、「ハカマイラー」なるものが、流行っているらしい。
     有名人の墓を訪ね歩くのだそうだ。

     というわけで、古代の天皇陵、古市古墳群を訪ね歩く。
     (天皇を有名人の仲間に入れると、叱られるかな)
     なかには埋葬者の分らない古墳もあって、謎やロマンに満ちた近い旅である。
     
     
     古市古墳群は、4世紀末から6世紀半ばにかけて、築造された古墳群である。
     東西2、5k・南北4kの面積に、なんと123基の古墳群からなる。
     もっとも現存するのは87基である。
     
     立派な前方後円墳があるかと思えば、
     工事現場の廃土を積み上げたようなのもある。
     濠が、四季折々の花で、埋め尽くされるのもあれば、
     手入れの悪い丘のような物もある。
     荒れた古墳に眠る埋葬者は、どんな気分だろうかと、私はいらぬ心配をする。
     さぞかし肩身が狭いだろうと。


     のどかな河内の風景に、古墳はよく似合う。
     仁徳天皇の父である応神天皇、そしてその妻の中津姫、孫の允恭天皇……
     「亡くなった後も、家族が傍に眠れて幸せね」
     そう呟きながら、私はハカマイラーを楽しむ。
     


        津堂城山
古墳 
応神陵
古墳


         2010、6月18日、「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産暫定リストに登載されました。